2025年4月30日水曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた7

「ホピ沢さん。弊社で一緒に頑張ってみませんか?弊社に決められない理由はなんですか?」 
 

2025年4月28日月曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた6

「なるほど。ちなみにこちらが料金プランになります」 

山田(仮名)さんに差し出されたパンフレットを見た僕は……卒倒しそうになった。そこに提示された料金は、とても"なるほど"とは思えない金額だったのだ。
 
おい、山田(仮名)なにが、"なるほど"なんだよ!全然"なるほど"じゃねーよ!
 

2025年4月25日金曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた5

「弊社のシステムは、主に三つございます。まずはその1は、プロフィール写真の印象で判断する方法です。要は第一印象でビビッときた方に申し込むタイプです。その1は女性よりも、男性が利用される方が非常に多いです。ですが一番難易度が高いかと思います。男性側が、"容姿が好み!"と思っても、お相手の女性がそうとは限りませんからね」


2025年4月23日水曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた4

「早速ですが、弊社にお越しいただいたきっかけをお伺いしてもよろしいですか?」


2025年4月21日月曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた3

結婚相談所A社の無料カウンセリングの前日。職場から自宅に帰宅するために乗った電車の吊革広告が、とある結婚相談所Bのポスターで一色だった。おまけにまるで示し合わせたように、無料カウンセリング当日に乗った電車の車両も、とある結婚相談所Cの広告で占領されていた。どちらのポスターも、結婚相談所とは生涯無縁そうな、満面の笑みを浮かべる美人女性のドアップ。非現実的なポスターに少々げんなりしつつ、僕は何で電車は結婚相談所のポスターが多いのだろうと考えていた。仕事や人生に疲れた孤独な労働者の心に響くように、あえて電車に貼っているのだろうか。
 

2025年4月18日金曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた2

通勤電車に乗っている最中、結婚相談所の新規オープンを知らせる胡散臭い広告に何故か魅せられた僕は、興味本位でその結婚相談所について調べてみた。そしてなんとなく流されるように、他の結婚相談所のことも検索。気づけば勢いだけで、とある結婚相談所の無料カウンセリングに申し込んでいた。これには自分自身が一番驚いている。何事も決断するまでに時間がかかる性質の僕が、あまり深く考えずに衝動だけで行動したのだ。すごいことだと思う。
 
 

2025年4月16日水曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた1

マッチングアプリに登録した僕は、まちこさんぴよさんとは会うまでに至らなかったが、タケウチさんサリーさん、そしてあすぴょんさんの三人の女性に会うことができた。しかしどの方とも、ご縁がなく終わった。まあ当たり前である。そもそも僕は40歳まで結婚できずにいる男なのだ、そんな簡単に事がうまくいくわけがない。とはいえ、確証もない未来に向かって頑張り続けるのは結構キツいなと感じている。しかしキツいからといって、指を咥えてじっとしていてもどうしようもない。やはり辛くても動かねば、ご縁は引き寄せられないのだ。
 

2025年4月14日月曜日

時々閑話1

あすぴょんさんとのご縁が切れてからすぐの頃だったと思う。その時の僕は燃え尽き症候群で、仕事にも婚活にも全く意欲がなかった。ただ目の前のやるべきことをこなし、1日一回マッチングアプリを開いて薄目で検索する程度。もちろんそんな状態だから、いいご縁に恵まれるわけがない。加えて、好きなものを食べたい気持ちも、お酒を飲みたい気持ちも、沸いてこなかった。なんかもうどうでもいいや、というマイナス思考で日々をこなしていた。
 

2025年4月11日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 130

あすぴょんさんと別れた後、電車を乗り継いで京浜東北線に乗車した僕の頭の中は、忙しかった。まるでレコードのように、ちゅる……ちゅる……ちゅる……と、あすぴょんさんが麺を啜る音が延々にリピートされるのだ。それに加えて何故か負の感情が刺激されて、将来への不安や、婚活がうまくいかないもどかしさが襲ってくる。自分自身を鎮めるのに精一杯になっていた僕は、蒲田駅に到着したことに気づかず通過。ハッとした時は鶴見駅で、うっかり乗り過ごしてしまった。
 

2025年4月9日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 129

ラーメンの麺を一本一本、ゆっくりと啜るあすぴょんさん。麺が冷め切っても伸び切ってもお構いなしに、たっぷりと時間をかけて食べ終えた。多分、約30分程かかったと思う。その間、あすぴょんさんが完食するまで辛抱強く待っていた僕は、なんとか話題を捻り出して会話を繋いだ。しかしあすぴょんさんの細かな言動が気になってしまい、心が無性にザワザワしてしまった。例えば。ちゅるちゅという麺を啜る音もそうだが、ハムスターのように頬を膨らませてもぐもぐするクセとか、長い髪を結ばずに垂らしながら食べる姿とか、スープに毛先が入りそう……というか入っているのに気にならない様子とか。
 
……なんかもう、心が折れてしまった。
 

2025年4月7日月曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 128

ラーメンの麺を一本一本啜っている……だと……? 
 

2025年4月4日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 127

あすぴょんさんに専業主婦の話を切り出されて初めて、僕は、僕が専業主夫になるかもしれない可能性が頭の片隅にちらついた。これまで微塵も、自分が専業主夫になる可能性について考えたこともなかった。しかし、仮に僕が縁あって、結婚できたとしよう。そして万が一家庭の事情で、夫婦のどちらかが仕事をやめて家庭に入らなければならない状況になった時。もし妻に「仕事を辞めたくない」と言われたら、僕は素直に「じゃあ僕が家のことするから任せて」と言えるんだろうか。そんなつもりはなかったはずなのに、心のどこかで、"家事は女性がするもの、仕事をやめるなら女性"、と思っている自分が、少なからずいることに気がついた。
 

2025年4月2日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 126

"埼玉県への移住話"を打ち切るために、僕は慌てて席を立った。レジ前でメニューを眺めて何を注文するか考えあぐねていたが、実際は何も食べたくはなかった。元々お腹が空いていない胃袋には、既にホットドッグが収まっている。人よりちょっとだけ食べるのが得意だという自負はあるが、今はどうしても無理にドーナツを捩じ込む気にはなれなかった。とはいえあすぴょんさんに「おかわりをします」と言ってしまった手前、何も買わずに戻るわけにはいかない。僕は、ポンポンしたリングのドーナツとコーヒーを注文し、重い足取りで席に戻った。