2025年4月21日月曜日

40代男が結婚相談所の無料カウンセリングに行ってみた3

結婚相談所A社の無料カウンセリングの前日。職場から自宅に帰宅するために乗った電車の吊革広告が、とある結婚相談所Bのポスターで一色だった。おまけにまるで示し合わせたように、無料カウンセリング当日に乗った電車の車両も、とある結婚相談所Cの広告で占領されていた。どちらのポスターも、結婚相談所とは生涯無縁そうな、満面の笑みを浮かべる美人女性のドアップ。非現実的なポスターに少々げんなりしつつ、僕は何で電車は結婚相談所のポスターが多いのだろうと考えていた。仕事や人生に疲れた孤独な労働者の心に響くように、あえて電車に貼っているのだろうか。
 

 電車を乗り継いで結婚相談所A社を訪ねた僕は、受付で名前と予約していることを伝えた。これまた受付の女性も、結婚相談所のポスターに写るモデルと同じように、結婚相談所とは生涯無縁そうな綺麗な女性だった。そして個室に案内される。個室といっても頑丈でしっかりとしたものではなく、パーテーションで区切られた程度。半個室というのだろうか。他人の目に晒される心配はないが、人の気配や話し声は容易く聞こえてしまう環境だった。別にそこは大した気にしていない。しかし実際僕が担当の方を待っている間、他の方の切実な相談内容がうっすら聞こえてしまい、他人事ではないなと苦しい気持ちにはなった。
 
「お越しいただきありがとうございます。ホピ沢さんでいらっしゃいますか?本日担当させていただきます、山田(仮名)です」
 
半個室に案内されてから数分後、50代くらいの女性がパーテーションを軽くノックして入室してきた。僕は慌てて立ち上がって、挨拶をする。この担当してくださった女性は、いかにも、"結婚相談所のスタッフの方にいそう"という感じの、僕のイメージ通りの女性だった。綺麗で華やかで巻き髪ロングヘアで、サバサバしていて物怖じせずに堂々としている女性。要はあらゆる自信が全身に満ち溢れているように見える感じの、僕とは対極にいるタイプの人だ。え?なんで?と思われる方がほとんどだと思うが、僕はこのスタッフさんと顔を合わせて動揺してしまった。強気で自信たっぷりの方と話す時、僕は自分の愚かさや不甲斐なさを目の当たりにして、急激にざわざわしてしまうのだ。

「早速ですが、弊社にご来店いただいたきっかけをお伺いしてもよろしいですか?」
 
天気などの当たり障りのない雑談を軽くした後、書類を広げながら山田(仮名)さんは聞いてきた。

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