マッチングアプリに登録した僕は、まちこさん、ぴよさんとは会うまでに至らなかったが、タケウチさん、サリーさん、そしてあすぴょんさんの三人の女性に会うことができた。しかしどの方とも、ご縁がなく終わった。まあ当たり前である。そもそも僕は40歳まで結婚できずにいる男なのだ、そんな簡単に事がうまくいくわけがない。とはいえ、確証もない未来に向かって頑張り続けるのは結構キツいなと感じている。しかしキツいからといって、指を咥えてじっとしていてもどうしようもない。やはり辛くても動かねば、ご縁は引き寄せられないのだ。
そろそろ次に向かって行動しないとな、と思っていた時だった。通勤電車の出入り口上の、車内電光掲示板をぼうっと見ていた僕の目の端に、とある物が映った。なんだろうと視線を合わせると、それは不自然なくらいに笑顔の女性が一面に写ったポスター。よく眺めると、なんと結婚相談所の新規オープンを知らせるものだった。
いつもの僕なら、胡散臭いなと思って無視をする。大体中吊り広告は、脱毛や薄毛予防、二重幅手術、そして結婚相談所の過剰な広告ばかりで、信用できない。しかしその時の僕は、何故かその結婚相談所の広告を見入ってしまった。胡散臭いはずの謳い文句なのに、どうしようもなく一言一言が弱った心に響いたのだ。そして導かれるように、スマホで検索。いくつかの結婚相談所のホームページを見ているうちに、次第に、話だけでも聞きに行ってみようかな、という気持ちに変化していた。
そして自宅に帰った僕は、とある結婚相談所の無料カウンセリングに申し込んでみた。
