2024年10月30日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 65

泥酔したサリーさんが無事に家に帰れたのか心配になった僕は、「お家に帰れましたか?具合は大丈夫ですか?」と連絡し、彼女の返信を待った。
 
しかし翌日になっても、それどころか1週間経っても、サリーさんからは返事がなかった。
 
 

2024年10月28日月曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 64

馴染みの町中華の炒飯で心身が満たされると、ふと脳裏に心配事がよぎった。
 
サリーさんは、きちんと家に帰れたのだろうか。
 

2024年10月25日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 63

そうだ、タクシーだ。 
 
サリーさんをタクシーに乗せよう。
 

2024年10月23日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 62

「……ちょっと気持ち悪いです」 

サリーさんは、その場にしゃがみ込んだ。さすがに嘔吐はしなかったものの、その気になればすぐにでもリバース、という雰囲気だった。
 

2024年10月21日月曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 61

サリーさんは最大限に、僕を褒めてくれたつもりなのだろう。人様の前で絶対に言うべきことではない胸の内を曝け出してでも、僕を評価してくれたことは感謝する。しかし……背が低い僕にとっては、あまりに辛辣な言葉のオンパレードだった。背が低い男性は卑屈で性格が悪い……のか。お酒に呑まれたサリーさんに対して、怒りや苛立ちは沸かない。しかし酔っ払ったサリーさんから放たれる悪口は、確かに僕に突き刺さった。
 
 

2024年10月18日金曜日

2024年10月15日火曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 59

少しでも自分をよく見せたいと思うはずの出会いの場で、仕事の愚痴を全力でぶちまけるなんて、酔っていないとできない言動だろう。
 

2024年10月11日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 58

唐突に始まったサリーさんの自分語りは止まらない。
 
「"学童指導員はただ子供と遊ぶだけでしょう、楽しそう"、なんて結構言われたりするんです。私も働くまではそう思ってました。でも現実は大変で。例えば小1の子に通用していたことが、成長した小6には一切通用しない。大人の言う事を聞かない子もいる。一丁前に生意気なこと言うし、むかつくんですよ」
 
文字に起こすと素面のように思える。しかしサリーさんの口調は、当初のさっぱりとした声音ではなく、舌足らずでゆっくりで甘ったるいものへと急変。 それは完全に酔っ払いの、話し方だった。


2024年10月9日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 57

サリーさんがお手洗いに行っている間、僕は、店員さんがカムジャタン(じゃがいもと豚肉の鍋)のしめの炒飯を作ってくれている工程を眺めていた。日本の炒飯と違い、お米を炒めるのではなく、鍋の底で焼くスタイル。おこげができて、とても美味しそうだった。
 

2024年10月4日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 55

「違います!全然違います!赤羽と蒲田は全く違います!一緒にしないでください!」
「ご、ごめんなさい……」
 
おい、サリー!なに私はお前とは違うみたいな態度してんだよ!蒲田も赤羽も変わんねえじゃねーか!
 
楽しい雰囲気が、急変。蒲田VS赤羽の不毛な論争の所為で、一気にまた重苦しい空気になってしまった。
 

2024年10月2日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 54

当初は呼吸をするのさえ躊躇われるほど、僕とサリーさんの間に漂っていた雰囲気は重苦しかった。しかしスンデ(豚の腸詰)のおかげで、今にも崩れ落ちそうな空気が一変。サリーさんと僕の距離はぐんっと縮まり、軽口を叩いて笑い合えるようになった。
 
そう、ここまでは順調だった。メイン料理のカムジャタン(じゃがいもと豚肉の鍋料理)が運ばれてくるまでは。