2025年3月5日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 114

別れ際に腹痛になってしまったあすぴょんさんの体調を気遣いつつ、今日のお礼や感謝を綴ったメッセージを送った後、僕の心の中に言いようもない不安が押し寄せた。自分があすぴょんさんと、今後どうしたいのか、どうなりたいのか、全くわからないのだ。ただ一つ、はっきりと思うことがあった。あすぴょんさんとのご縁を自ら断ち切ってしまったら、もう自分にはチャンスが巡ってこないのではないか。そういう、ずるい考えが頭を占めていた。
  

2025年3月3日月曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 113

時刻は17時になるところだった。そろそろお開きだなと思い、僕はあすぴょんさんに「そろそろ駅に向かいましょうか」と、声をかける。駅までの道中、あすぴょんさんの顔色の悪さが少し気になった。しかし、本人が「大丈夫」だと言うのだ。これ以上は触れない方がいいと思い、僕は他愛もない話をした。
 

2025年2月28日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 112

青いコンビニの店先で帰りの電車の時刻を調べながら、あすぴょんさんを待った。しかし10分経ってもあすぴょんさんが出てくる気配がない。どうしたんだろうと思い窓越しから店内の様子を探ってみたが、あすぴょんさんの姿は見えなかった。


2025年2月25日火曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 111

熱々のドリアを食べるあすぴょんさんは、最初の一口で口内を大火事にしたのにも関わらず、冷ますことせずに口に運ぶ。だから何度も「あっつ!熱い!」の火傷を繰り返していた。本当にギャグ漫画のワンシーンのようなのだ。例えばウケを狙ってしているのなら、こちらも反応に困らずツッコミを入れられるのに、これを大人の女性が素でやっているから笑えない。僕は苦笑いを浮かべることしかできなかった。
 

2025年2月21日金曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 110

「もう半熟卵乗せちゃおうかな、今日は特別ってことにして。でも本当にいいのかな……50円だしなあ……。でも卵食べたいし。ホピ沢さんだったらこういう時、迷わずに半熟卵のせちゃいますか?」 

引き攣った笑顔を浮かべていた僕は、話を振られて不自然に口元が歪んでしまった。