唐突に始まったサリーさんの自分語りは止まらない。
「"学童指導員はただ子供と遊ぶだけでしょう、楽しそう"、なんて結構言われたりするんです。私も働くまではそう思ってました。でも現実は大変で。例えば小1の子に通用していたことが、成長した小6には一切通用しない。大人の言う事を聞かない子もいる。一丁前に生意気なこと言うし、むかつくんですよ」
文字に起こすと素面のように思える。しかしサリーさんの口調は、当初のさっぱりとした声音ではなく、舌足らずでゆっくりで甘ったるいものへと急変。 それは完全に酔っ払いの、話し方だった。