2025年9月25日木曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた53

Dさんのやり直し誕生日パーティーの話を聞いている間に、注文した料理は全てテーブルに到着。僕は彼女の話に呆気に取られてあまり料理を味わえなかったが、Dさんは饒舌に話しながらも、その間にしっかり完食していて、器用だなと思った。ちなみにDさんは、やきとんに添えられた紅生姜の味噌がお気に召したらしい。僕もこの紅生姜味噌が大好きだが、少々ケミカルな風味がするので好みが分かれる薬味だと思う。でもDさんは「美味しい美味しい」と言って、食べていた。こういうDさんの美味しそうに食べる表情は、本当に魅力的なのに……。
 
 
「満足しました。美味しかったです。そろそろ次のお店に行きましょうか」

Dさんがやっとそう切り出してくれたので、僕は店員さんに合図をして伝票を持ってきてもらった。するとDさんは突然腕を伸ばして、僕よりも先に素早く店員さんから伝票を受け取った。えっ、と僕は驚き、思わずDさんをまじまじと見る。まさかDさんが払ってくれるつもりなのだろうか。僕は財布を出そうと鞄の中をまさぐっていると、Dさんは「ふうん……こんな感じか」とぽつりと呟いた。そして金額を確認して納得したのか、伝票をテーブルに伏せた。
 
「……私お手洗いに行ってきますね」 
「え!?」
「ここのお手洗い使ったことあります?綺麗ですか?」
「……狭いですけど、綺麗なお手洗いです。ですが男女兼用なので……
「了解です。ありがとうございます。ではお会計をお願いしますね」
 
このタイミングで……トイレ!?
 
Dさんは前回と同様、伝票を確認した後、僕にお会計を任せてお手洗いへと行ってしまった。
 
……おい、D!だからなんなんだよ、その金額チェックからのトイレは!払う気もないのに金額を確認する目的はなんなんだよ!そしてなんで支払い寸前にトイレに行くんだよ!その前に行けよ!

僕が全額支払うつもりだったので、Dさんが払わないのは別にいい。だが、払う気もないのに伝票を手に取り金額を確認する動作が嫌だった。つーか奢られるなら、一応フリだけでもいいから奢られる態度しろよ!腹立つんだよ!払って当たり前だろ、みたいな感じ!
 
もやもやしながら支払いを済ませると、会計をしてくださった店員さんに「今日はどうもすみません」と改めて謝罪されてしまった。Dさんに「ドリンク来るのが遅い」と叱責されたことを、謝っているのだ。 僕は「こちらこそすみませんでした」と頭を下げたが、もうこのお店には来にくくなってしまったなと悲しくなった。蒲田でお気に入りのお店だったのに。
 
会計が終わっても、Dさんはお手洗いから出てくる気配はない。店先で待とうと思い外に出ようとした時、Dさんがお手洗いから出てきた。あ、Dさんが出てきた……と思った次の瞬間、僕は自分の目を疑った。今見た光景は幻覚ではないかと錯覚するくらい、僕は自分が目の病気を患ったのではないかと思った。

おい、D……お前……。
 
……今トイレから出て、手を洗ったか?
 
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