2025年7月2日水曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた20

7人目のDさんとの会話時間がやっと終了し、ついに8人目となるEさんとトークすることになった。女性とのトークの合間に僅かな休憩時間(移動時間)があるとはいえ、15分間ぶっ続けで8人の方と話すのは、なかなか神経をすり減らす思いだった。僕は一体何とこんなに闘っているのだろうと、意味を見出せなくなるくらいに。こんなことで弱気になっているから、何もかもうまくいかないのかもしれない。ため息をつきたい気持ちをぐっと堪え、僕はEさんの個室に入室した。
 

「こんにちは。はじめまして、ホピ沢です。今日はよろしくお願いします」 
「こんにちは。Eです。こちらこそよろしくお願いします」
 
失礼しますと言って着席すると、Eさんは控えめに微笑み頷いた。そのEさんのちょっとした所作から品や優雅さが伝わってきて、思わずほうっと見惚れそうになる。
 
失礼な話、Eさんは誰もが見惚れる美人ではない。特別他の人よりも抜きん出た容姿でも、特別不細工というわけでもない。僕に言われたくないだろうが、おそらく普通。しかし何故か美人ではないのに美人に見える、そういうタイプだ。育ちの良さを感じさせる雰囲気が、そうさせているのだろうか。
 
「あっという間に最後のトーク時間になりましたね。僕は今回初めての参加だったのですが、婚活パーティーってこんな感じなんだなと勉強になりました」
「私も今回が初めての参加です。実は婚活自体が今日が初めてで、とりあえずお試しで参加してみました。ホピ沢さんは婚活されてるんですか?」
「そうですね。パーティーは初めてですけど、それまでは主にマッチングアプリを使っていました」 
「マッチングアプリ……興味はあるのですが、なんとなくイメージ的に女性は20代しか許されないイメージです。37歳の私が登録しても大丈夫でしょうか」
「もちろんですよ。むしろマッチングアプリは、30代向けが一番多いのではないでしょうか」

ふとEさんのプロフィールを見て、僕は驚きで目を見張った。
 
"家事手伝い"。
 
Eさんの職業欄に、そう書いてあったのだ。家事手伝い……ってなんだろう。家事手伝いは、独身女性の職業及び花嫁修行を指す言葉。一昔前は珍しくなかったと思うが、最近ではほとんど聞かない。家事はとても大事なことだけど、このご時世、Eさんのように、経歴に"家事手伝い"と書く女性は、ほぼいないだろう。
 
ではEさんの家事手伝いとは?文字通り、単に家事を手伝っているという意味なのか。それとも、実家の家業を支えいるという意味なのか。
 
「Eさんのご職業は家事手伝いとのことですが、ご実家の家業をお手伝いされているのでしょうか」
 「まあ……そんなところです」

なんとも歯切れが悪い回答だった。 おそらくこの件には触れない方がいいのだろうと直感的に思った僕は、すぐに話題を変える。Eさんの好きな食べ物は、焼肉だったので、とりあえず好きな肉の部位を聞いてみた。意外にもEさんはホルモン系が好きで、週末になるとホルモンを焼くそうだ。Eさんのおっとりした雰囲気とホルモンはどうにも結びつかなかったけれど、僕的には親近感が持てる良いギャップだなと思った。
 
Eさん曰く、"シマチョウとビールの組み合わせは最高"、らしい。つい食べ過ぎてしまうそうだ。スリムなEさんの"食べすぎる"は、大した量ではないだろうと思っていたら、週末はしっかり3kgほど増えるらしい。その分、平日はきちんと調整しているか。食べることが本当に好きなのだなと感じて、ますます好感を持った。
 
「あの、ところでホピ沢さん。性格診断テストの性格タイプはなんですか?」
 
 性格診断テストの……性格タイプ?

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