「先ほど、月に6人の女性を紹介していただけると伺いました。もし6人の女性全員からお見合いをする前にお断りされたら、その一ヶ月はどうなるのでしょうか……?」
結婚相談所A社は10名、もしくは20名。この相談所D社は6名。"月に必ず、決まった人数の女性を紹介&お見合いできます"と、謳っている。しかし……もしできなかったら?僕は内田(仮名)さんに、思っていた疑問を口にした。
「ご紹介いただけてもお相手のお気持ちがありますから、必ずしも毎月お見合いに進めるわけではないんですよね?」
紹介していただいた6人の女性全員とお見合いできるのならとても素晴らしいことだが、そう事が上手くいくはずがない。6人中6人が僕とのお見合いを了承してくれる嬉しい可能性がある反面、6人中6人に拒絶される悲しいストーリーもあるということだ。その場合、活動はどうなってしまうのだろう。月が替わるまでは事実上活動停止、月初めになれば活動再開する流れになるのだろうか。
「そうですね。私共の力不足で心苦しいのですが、おっしゃる通り、6人中6人にお断りされる場合もあります。その場合月初めまでご紹介することはできませんが、面談等でバックアップさせていただきます。ただ追加料金をお支払い頂ければ、ご紹介できる人数を増やすことができますので、その点はご安心いただければと思います」
その点はご安心って……全然ご安心できないが、まあ、そうだよな。全てはお金次第だよな。「そうですよね……」と相槌を打つと、いよいよ本題、内田(仮名)さんから具体的に料金プランの説明を受けた。結婚相談所A社と同様、払えない額ではないが、即決するには難しい金額を提示される。
うーんと思ったのは、先日伺った結婚相談所A社の一番高額なプランと、ほぼ同等の金額だったこと。A社は一番安価なプランだと月10名、高額だと月20名紹介してもらえる。それに対して、こちらは月6名。しかもこの初期費用にプラスして、様々なオプションが加算されていく。はたしていくらになるのだろうか。眩暈がする思いだった。
「弊社で一緒に頑張りましょう!まだ決断できないですか?弊社で頑張れない理由は何ですか?」
そしてこちらも結婚相談所A社と同様、突然人が変わったように、内田(仮名)さんは強引な営業魂を見せつけてきた。内田(仮名)さんの鬼気迫る迫力に思わず飲まれそうになったが、「別の結婚相談所も検討したい」と流す。しかし、「なんで?」「どうして?」と口撃。何で今ここで決断しろと迫ってくるのだろう。「検討して返事は後日します」と言っているのに、何度も「今!」と圧力をかけて攻め寄るのは、どうかと思う。
「わかりました。本日はご契約されずに、ご検討されるということですね。では次回の予約をお取り致します」
何とか突っぱねたものの、結局断れずに次回予約を取る羽目になってしまった。そうでもしないと帰らせてもらえない雰囲気だったのだ。