「なんで触らせてくんねーんだよ」←A山(肥満体型)
わんこの甲高い鳴き声。A山(肥満体型) の苛立つ声。スタッフさんの驚声。騒然とする室内。一瞬で全てを悟った僕とB山(ハイブランド)、そして女性陣。しかし誰も動けず、その場に立ち尽くすしかなかった。
基本的にここのわんちゃんハウスは、犬への接触を禁止していない。タッチしたり、撫でたりするのは、OKだ。しかしそれは常識的な接触だからこそ許されていることで、無理に抱き上げたり、動物が嫌がることをするのはご法度だ。A山(肥満体型) がわんこに何をしたのかはわからないが、彼が「なんで触らせてくんねーんだよ」と言っているところを考えると、無理やり触ろうとしたのは明白だろう。
「ちょっと触ろうとしただけなんすよ。別に俺、何もしてないすよ」←A山(肥満体型)
「先ほどご説明したかと思いますが、わんちゃんが嫌がることは禁止です。申し訳ありませんが、お客様。今後のご利用はお控えいただくよう、お願いいたします」
A山(肥満体型) から"被害"を受けたわんちゃんは、スタッフさんに連れられて奥に避難。すると責任者と思われるスタッフさんが、ぴしゃりと出禁を言い渡した。A山(肥満体型)は弁解をしようと必死だったが、淡々としたスタッフさんには反論できないようだった。舌打ちを一つして、渋々と退店していった。
ほっとしたのも束の間……
「お連れ様もご利用はご遠慮ください」
なんとA山(肥満体型)の"身内"と判断された僕たちも、出禁を言い渡されたのだ。
「……A山(肥満体型)さん。お店のルールをご存知だとは思いますが……どうしたんですか?わんちゃんと何かあったんですか?」←僕
出禁を言い渡された。それは、お店側に犬に危害を与えると判断されたから。そしてその危害を加えるメンバーの一人になってしまった。
もやあっとした苛立ちに突き動かされた僕は、退店した途端、A山(肥満体型)に尋ねてしまった。自分としては怒りを抑えて冷静に質問したつもりだが、果たしてどうだっただろう。A山(肥満体型)の狼狽えた表情が、僕をさらに苛立たせた。
「別に何も……」←A山(肥満体型)
「何もなかったらわんちゃん、あんなに鳴きませんよね」←僕
「……そうですよ。A山(肥満体型) さん、無理やり抱き上げようとしたんですか?それは禁止事項ですよ」←B山(ハイブランド)
ペットのために月に数回実家に帰るB山(ハイブランド)も、真剣な顔でA山(肥満体型) に問いただす。 A山(肥満体型)は開き直って、「なにもしてないって!」と悪びれもない。するとそれを見守っていたナガタさん(嘔吐)が、きっぱりと言い放った。
「A山(肥満体型) さんは、ルールを守る気がないんですよね。あなたの自分勝手な行動で、私たちは楽しい時間を壊されました。ここでA山(肥満体型) さんとは、失礼しますね」←ナガタさん(嘔吐)
当初反省の態度を見せずに横柄だったA山(肥満体型)も、さすがにお目当てのナガタさん(嘔吐) に言われ堪えたのか、絶句。僕は当然の報いだと思い、同情する気にもなれなかった。そしてこのグループとはここでお別れしようと思い、僕は彼らに背を向けた。
こんな険悪なムードの婚活もあるんだな。
