トイプードルとダックスから触っていいよ権利を得た僕は、二匹を撫でていた。調子に乗ってちょっとだけウザめに撫でてみたが、二匹は特に僕の接触を嫌がらない。ツンと澄ました顔で膝の上に座ったまま、動こうともしなかった。そして時折ちらりと僕を見たかと思いきや、"撫でろ"と要求する。それを眺めていた女性陣が、わあっと声を上げた。
僕が撫でているところを、じっと見つめる女性陣。すごく落ち着かない。例えるなら女性陣の雰囲気は、僕が食べているお菓子を指を咥えて羨ましそうに見ている……ような感じだ。それに後ろめたさと居心地の悪さを覚え、僕は思わず声をかけた。
「もしよかったら撫で撫でしてみませんか?」←僕
「え……いいんですか?でも嫌がられないですかね……?」←ムラマツさん(ぬい活)
「声をかけてからそっと撫でれば大丈夫だと思います」←僕
そう勧めると、ナガタさん(嘔吐)が恐る恐るわんこに手を伸ばした。「撫で撫でさせてね」とわんこに話しかけながら、背を控えめに撫でる。わんこは観察するようにナガタさんを一瞥したものの、嫌がらない。それに安心したのか、ムラマツさん(ぬい活)もミヤギさん(沖縄)も、わんこを撫で撫でし始めた。
「かわいいですね。犬と暮らしてみたいです」←ムラマツさん(ぬい活)
「ホピ沢さんのご実家のわんちゃんも、いつも膝の上にいるんですか?」←ナガタさん(嘔吐)
「そうですね。人間が忙しそうにしているとちらちら様子を伺うだけで来ませんが、ソファや床に座るとすかさずやってきますね」←僕
「うちの実家のわんこもそうですよ」←ミヤギさん(沖縄)
楽しく談笑していた僕は、ふと我に返った。
床に座る僕の膝の上には二匹のわんこ。それに群がる女性三人。
……彼女たちの目的はわんこ。とはいえ、側から見ればなんかこれ異様な光景じゃないか?距離感もすごく近くておかしい気がする。うまく説明できないが、胸がざわざわする状況だ。女性三人に囲まれているという息苦しさに、僕は根を上げてしまった。
「……せっかくなので僕、他のわんちゃん達と遊んできますね」
心苦しいが膝の上にいたトイプードルとダックスに声をかけておろし、女性陣に託す。しかし立ち上がって別の場所に行こうとすると、そのトイプードルとダックスが僕の後をついてくるのだ。
「うわあ、わんちゃんに好かれて羨ましい。あなた達、ホピ沢さんがいいんだね〜」←女性陣
……どうしよう。
その時、異変が起こった。突然、とあるわんちゃんの甲高い鳴き声が、室内に響き渡ったのだ。それは喜んでいる時や嬉しい時の声ではなく、恐怖や驚きで出るような声。えっ、と思い見ると……
「なんで触らせてくんねーんだよ」←A山(肥満体型)
