「もう少しで仕事終わるんで。ごはんくらい付き合ってあげてもいいですよ」
……は?
「ごはん付き合いますよ?一時間くらいどこかで時間潰して貰えますか?終わり次第連絡するんで」
「いえ、すみません。この後予定あるので……」
"ごはんくらい付き合ってあげてもいいですよ"……だと?一体どういう立場から物を言ってるんだよ!
僕はDさんの誘いを即座に断った。ちなみにこの後の予定は何もなく、帰宅するのみ。「お前何言ってんだ?嫌に決まってんだろ」と突っぱねたかったところを、ぐっと堪えて「予定がある」と言った僕を、褒めて欲しいと思う。
「はあ?ホピ沢さんは、また女性に恥をかかす気なんですか?ここは、ご飯行くって言うところですよ」
「え?あの、予定がある……んで……」
「はあ〜最後の最後にチャンスあげたのに。わかりましたよ、はい!そういうことで!」
??????
「ラインブロックしますから、お互いそうしましょう。では」
Dさんは不機嫌そうにそう言って、オフィスの中に戻っていった。もしかしてDさんは、この後僕と食事をする気だったのだろうか。なんで?蒲田で喧嘩別れのようになったのに?ぬいぐるみの件がなければ、二度と会わない間柄だったのに?
というか、最後の最後のチャンスってなんだよ!いらねーよ!
僕はよくわからないままエレベーターで一階に降り、そのまま電車に乗って帰宅した。
これで僕とDさんのご縁は、完全に終わった。
