「僕は、ますます困惑しています。差し出がましいですが、何故Dさんは僕に、"今更連絡もらって困惑している"と言われるなんて思わなかった、と思われたんですか?」
ここ、すごく引っかかった。普通は、ずっと連絡をくれなかった人から急に連絡がきたら、困惑するだろう。古くからの友人であればまだしも、Dさんは婚活で出会っただけの、ほぼ他人に近い人。僕が「Dさんからやっと連絡が来た!やったー!」と喜ぶとでも思ったのだろうか。
「え?私から連絡が来て迷惑だったんですか?ホピ沢さん、私に気があるんですよね?」
「え!?」
「だって私のこと、品川まで追いかけようとしてきたじゃないですか」
おい、D!またそれかよ! だから品川まで行こうとしたのは、一刻も早くぬいぐるみを返したかったからって言ってるじゃねーか!
「私に気がなかったら、追いかけないですよね?」
やばい……どうしよう。Dさんは何がなんでも、"ホピ沢は私に気がある" というストーリに仕上げる気だ。僕にはそんな気持ち、一切ないのに。
「あのDさん……不愉快に思われたら申し訳ないのですが、僕とDさんはまだ知り合って間もないです。お互いを理解していない状況で、そういう気持ちを持つのは……僕には難しいです。それに何度も申していますが、品川まで行こうとしたのは、ぬいぐるみをお返ししたかったからです」
はっきり言い過ぎただろうか。でも、誤解を招く発言はもう許されないと思った。というか、そろそろ解散したい。ちらりとDさんを見ると、Dさんは驚いた表情をしていた。
「ホピ沢さんは、私に気がなかったんですね。へえ……自慢じゃないんですけど、大抵私、男性にそういう目で見てもらえるんですが……ホピ沢さんみたいに、私に気がない男性に出会ったのは初めてです」
おい、D……嘘だろ……何言ってんだよ!
