2026年1月9日金曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた82

「聞いてくださいよ、ホピ沢さん!今すごくムカつくことがあったんです!なんか知り合いでもないデブの女に……!」 
 
この瞬間、僕は感じた。本当にDさん、無理だ。 
 

いくら腹が立っているとはいえ、見知らぬ女性に対して"デブの女"とは……ないだろう。
 
「待ち合わせ時間よりもちょっと早く着いたので、ふらふらしようかなと思ってたんですよ。そしたら突然デブの女から、"さっき電車で私のことジロジロ見てましたよね"っていちゃもんつけられたんです。もう、は?突然なに?って感じで。こっちはそのデブが電車に乗ってたことも知らなかったのに!見るわけないだろお前なんかって気分でしたよ。それで見てないですよってデブに伝えたんですけど、そのデブ何を勘違いしてるのか、"見てただろ!"って怒ってきたんですよ。だからこっちも頭に血が上っちゃって。もう気分最悪ですよ。お前みたいなデブ眼中にないし!って感じでした。自意識過剰すぎて迷惑でした」 

Dさんの話が本当なら、彼女の怒りも理解できる。全く身に覚えがないのに、突然謂れのないことで責められたのは心外だろう。
 
だが如何せん、Dさんは言葉遣いが悪すぎる。"デブの女"は、ないだろう。親しい友達との間では"デブの女"でもいいかもしれないが、それでも45歳のいい大人が軽々しく口にしていい言葉ではないと思う。中傷だ。いくら腹が立ったとはいえ、僕の中ではありえないことだった。
 
Dさんが"デブの女"について捲し立てている間、僕の心は急速に冷えていた。「40歳過ぎて婚活しているくせに、何を選り好みしているのだ」とか「だから結婚できないんだ」などと怒られそうだが、やはり僕は、ある程度の言葉遣いや思いやり、優しさを持ち合わせた女性と出会いたい。人前で平気で他人を"デブの女"と罵る女性は、どうしても嫌だ。
 
「……Dさん、災難でしたね」
「ええ、本当に。やっぱり蒲田って変な人が集まる街なんですかね?それはそれで面白いけど、絡まれるのはキツイですよね」
「なんか蒲田がすみません」
「蒲田出身のホピ沢さんにも、もしかしたらそういうの?あるかもしれないですね。だって、蒲田出身ですからね。あ、冗談ですよ!あはは!」 
 
うるせーよ! 
 
「で、お店どこ行きます?喫茶店はなしですよ」と昼飲みを強要してくるDさん。僕としては、今すぐにでもとんずらしたかったが、せっかく下北沢から蒲田に来てくれた手前、追い返すわけにはいかない。
 
「おすすめの串焼き屋さんがあるんですけど、そこでもいいですか」 
「もちろんです。楽しみです」
 
今日は何がなんでもお店を梯子しない。一軒目で終わらせてやる。
 
そう強く決意して、僕はDさんをお店に案内した。 
 
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