2025年11月18日火曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた68

え……?
なんで僕の足元に、某少年誌の某キャラクターのぬいぐるみが転がっているんだ……?
 

その異変に気づいたのは、改札前でDさんを見送り、さあ家に帰ろうと足を踏み出した時だった。僕の足元には、某少年誌の某キャラクターのぬいぐるみが、ころんと転がっていたのだ。
 
なんでこんな所にぬいぐるみが……。さっきあったかな……なかったような……
 
誰かが落としたのだろうか。冷たいと思われるかもしれないが、正直な気持ちとして、持ち主が不明の得体の知れないこのぬいぐるみを、触りたくないと思ってしまった。
 
もしかしたらこのぬいぐるみはトラップかもしれないし、全身に怪しい液体が塗られているかもしれない。触れた瞬間に、爆発するかもしれない。だからリスクを避けるために、本当はスルーしたかった。だが一度視界に捉えてしまったのが運の尽き、このまま無視するのは気が引けた。
 
仕方なく僕は、駅員さんに届けることにした。意を決して腕を伸ばし、恐る恐るぬいぐるみを拾い上げる。その時、はっとした。
 
これってもしかして……Dさんの鞄にぶら下がっていたぬいぐるみでは……?
 
確かDさんは、某ブランドバッグにはそぐわない、某少年誌の某キャラクターのぬいぐるみをつけていた。某ブランドのロゴとぬいぐるみがあまりに不釣り合いだったので、覚えている。それに飲み会中に「ぬい活でーす」と言って、テーブルにぬいぐるみを置いて、お酒や食べ物と一緒に写真を撮っていた。
 
そうだ、絶対にDさんのぬいぐるみだ。
 
僕は急いでDさんに「Dさんがお持ちだったぬいぐるみによく似たぬいぐるみを拾ったのですが、大丈夫ですか?お持ちですか?落としてませんか?」と連絡をした。すると一瞬で既読がつき、秒で返事が来た。
 
"今気づきました、鞄についてないです。どうしよう、落としちゃったみたいです。さっきまではいたはずなのに。ホピ沢さんが持っているそれは、XX漫画のXXですか?」"
"そうです"
"え、どうしよう"
"今どこにいらっしゃいますか?"
"大森を出たところです"
"今から僕向かうので、もし大丈夫でしたら、品川のホームでお待ちいただけませんか?品川で乗り換えでしたよね?15分くらいで品川に到着できると思います"
 
このラインを送った後、何故かDさんは既読をつけたまま返事が送ってこなかった。
 
おい、D!なんで既読無視すんだよ!はやく返事しろや!
 
僕は数秒ごとにラインの通知を確認しながら、所在無げに改札前で立ち尽くす。すると10分ほどして、Dさんから連絡がきた。だが……
 
 "これから友達に会うことになってしまったので、ぬいちゃんは次回でもいいですか?"
 
次回……?

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