2025年9月8日月曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた47

Dさんの希望は、飲兵衛の街蒲田で飲み歩くということ。一つのお店に留まらずに、その場のノリで様々なお店を渡り歩きたいそうだ。そういうわけで最初に僕がDさんを案内したのは、蒲田では有名なもつ焼き屋さん。ここは蒲田では、絶対に外せないお店だ。
 

駅から徒歩数分、僕とDさんは店先でお店が開店するのを並んで待った。既に多くのお客さんが並んでおり、一巡目で入店できるのかは微妙な立ち位置。もし一巡目で入店できなければ、違うお店に行くか、席があくまで待ち続けなければならない。僕は一巡目で入店できるだろうかとヒヤヒヤしていたが、Dさんはあまり気にしていなさそうだった。「居酒屋なのに、開店前からこんなに並ぶんですか?すごいですね」と、楽しそうな口調だったので、ほっとした。
 
「すごい人気のお店みたいですけど、ここのお店にはよく来られるんですか?」
「以前は週一で来ていたのですが、最近は混雑しているので、1人でふらっと立ち寄るのが難しくなりました。ですから久しぶりに来ました」
「へえー、そんなに人気なんですね。確かにこのちょっと汚い感じの店構え、絶対裏切らないですよね。絶対美味しいですよね。期待が高まりますね」
 
以前は、開店前から並ぶほどの人気店ではなかったので、よく利用していたのだが、最近は開店前から大勢のお客さんが並ぶという超人気店になってしまった。だから人気のメニューはすぐに売り切れてしまうし、全商品が閉店時間よりも早く完売してしまうこともざら。大好きなお店だったが落ち着いて飲むことができなくなってしまったので、今回が本当に久しぶりの来店だった。

そうこうしていると、ようやく開店。店員さんに誘導されながら、コの字カウンターの端っこの席に座った。注文を聞いてくださる店員さんに、僕はホッピーの黒セット、Dさんは瓶ビールをオーダー。そして同時に、僕のおすすめの前菜的な料理を三品ほど頼んだ。

「ここのもつ煮込みは、とろとろで本当に美味しいので、本当におすすめです」
「楽しみです。私、もつ煮込み大好きなんですよ!居酒屋では当然頼みますし、競艇場に行っても絶対にもつ煮込み食べるんですよね」 

き……競艇場……!?競艇場のもつ煮込みって……まさか平和島の……?
 
「……競艇するんですか?」
「はい!そんなに気合い入れてやってるわけじゃないですけど、まあしますね。競輪とかもしますよ。競輪はネットですけど。ホピ沢さんはやらないんですか?」
「数年前に一度だけ友人に連れられてやったことありますけど……それきりです。全然しないです」
「えー、もったいない。蒲田と平和島、めっちゃ近いのに!」 
 
え、ギャンブル……?
 
Dさんは節度を持ってギャンブルをしているようだが、僕はあっけらかんと言うDさんにちょっと引いてしまった。すうっと心が冷めていく感覚だった。ギャンブルって……マジかよ……。
 
二の句が継げずに呆然としていると、ふとDさんが口を開いた。
 
「そういえば……ドリンク来るの遅くないですか?」
 
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