2025年8月1日金曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた32

「どうしてホピ沢さんは、私を選んでくれたんですか?」
 

Dさんおすすめのアラカルト、4種の前菜盛り合わせプレートの量の多さに圧倒されていると、Dさんが唐突に本題を切り出した。
 
「まさかカップル成立するとは思ってなかったので、これでもすごいびっくりしてて。だって女性は42歳までの制限があるパーティーに、45歳の私がいるんですよ?普通は選ばなくないですか?男性は若い女性が好きじゃないですかあ」
 
……そう思うなら何故、42歳までの制限があるパーティーに参加したんだよ。

何度も言っているように、Dさんは45歳でありながら、女性の年齢制限が42歳までのパーティーに参加した。参加理由は、"運営側に勧めらたから仕方なく"、と言うわけではない。 これが驚いたことに、「45歳なんですけど、42歳までのパーティーに参加しても大丈夫ですか?どうしてもこのパーティーに参加したいんです」と、自ら運営側に問い合わせたらしいのだ。強心臓すぎる。
 
「実際私の年齢が45歳とわかると……いや面倒なので普通に最初から自己申告してたんですけど、ホピ沢さん以外の他の男性の参加者の方からは、えって反応されました。まあそりゃそうですよね、えってなりますよね。でも結構あからさまだったので、傷つきました。でもホピ沢さんは、そういう反応を一切されなかったので。大人の対応で有難いなと思いましたし、ホピ沢さんとは普通に楽しくお話しできて良かったです。でもぶっちゃけ、ホピ沢さんだって、内心は、げえって思いましたよね?45歳のおばさん!?みたいな。げえっではなく、はあ?かもしれないんですけど」
 
Dさんの話を聞いて、僕は返答に詰まった。まさか、"運営側にいいねを押せと圧力をかけられて仕方なくいいねを押した"、"第3希望の欄に書きたい女性がいなかったけどDさんとはまあまあ話せたから書いた" ……とは言えない。

「どうして私を第一希望に書いてくれたんですか?」

……第一希望には書いてない。

「……Dさんとの会話が楽しかったので、またお話ししてみたいなと感じました。それでお名前を書かせていただきました」

……こいつは何をぺらぺらと嘘を言っているのだろう。
 
嘘を言うのは本当に心苦しかったが、嘘以外を言う選択肢はないし、真実を伝える勇気はない。キラキラした瞳で返答を待っているDさんに、僕は本音を避けて無難な回答をした。
 
「え、ほんとですかあ?嬉しい。この年になると、そういうことも言われなくなるので、普通に嬉しいです。ちなみにどの辺で、また私とお話ししたいと思われたんですか?」
 
ど……どの辺で……?
 
「お……お酒のお話をした頃ですかね……?」
「えー、やっぱそこですかあ?私お酒だけは無駄にイケちゃうんで、全然詳しいんで!多分ホピ沢さんよりも、普通にたくさん飲めますよ」
「すごいですね……」
「この年になっても、全然朝までは飲みますからね。周りはいつの間にか潰れてるんですけど、私だけ元気?あれ?みたいな。うふふ」

だからもういいんだよ!お酒飲めるアピールは!
 
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