ついに最終結果ーーカップリング成立発表の時間になった。カップリングの発表方法は、アプリ上で個別に発表、司会者がマイクで発表、本人だけに個別に発表……など、婚活パーティー会社によって様々らしい。てっきり僕は、カップリング成立した人は、全員の前に立たされて祝福を受けるとばかり思っていたが、どうやら"晒し者"になることはないようだ。ちなみに僕が参加したパーティーの発表方法は、アプリ上で個別に知らされる仕組みだった。
「皆様、お疲れ様でした。カップリング成立した方には通知致しましたので、ご確認ください」
司会進行のスタッフの方がマイクでそう告知してくれている中、僕はいそいそと帰り支度をしていた。決して余裕をかましているわけではない。悲しいことだが、アプリを確認するまでもなく、僕は誰ともカップリングしないだろうと信じきっていたからだ。今日はなかなかいい経験ができたな……そんな達成感を感じながら、半ば片手間でアプリに意識を向けた。そして通知をチェックして…。
……その瞬間、僕はソファから転げ落ちそうになった。
なんと僕は、スタッフの方に監視されながら仕方なく"いいね"を押し、その流れでなんとなく第3希望の欄に書いた、45歳韓国好きのDさんとカップリング成立していたのだ。
「え……？なんで……？」
思わず、そう声に出てしまっていた。半ば投げやりな気持ちで番号を書いたDさんと僕が……？どうして……？どうして第3希望の女性とカップリング成立……？普通こういうのは、第一希望同士がカップリングするものじゃないのか……？
どういうシステムなんだろう、不思議でたまらない。
訳がわからなくて、僕は頭が真っ白になった。フリーズした。司会進行のスタッフの方の話が耳に残らず、右から左へと流れていくくらい、動揺していた。
どうしよう。本当にどうしよう。"いいね"と思っていないのに、強制されて"いいね"を押してしまった女性とカップリング成立してしまった。
僕は今すぐBダッシュで逃げ出したかったが……当然そんなことはできない。スタッフの方の指示があるまで、個室で待機することを余儀なくされた。
