2025年7月14日月曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた25

印象に残った8人中5人の女性の中から、僕が"いいね"を送ったのは、2名。僕好みの美人でお淑やかなワキガのAさんと、蒲田の隣街大森出身で気を抜くとすぐに体重100kg超えしてしまうBさんだ。"いいね"を送る任務を終了して一息ついていると、なんとアプリ上で、僕に"いいね"を送ってくださった女性を、確認できることがわかった。一体誰が、僕に"いいね"を送ってくれたのか。僕は恐る恐るチェックしてみた。
 

他人から評価されるというのは、とても怖い。職場や仕事で評価されるならまだしも、女性から異性としてジャッジされるのは、かなりキツいものがある。しかし、そうまでして飛び込んだのは、他でもない自分。全ては結婚するためだ。とはいえ、潔くない僕は薄目でそうっと確認し……その瞬間、驚きでカッと目を見開いた。
 
なんと、僕好みの美人でお淑やかなワキガのAさん以外の女性、BさんCさんDさんEさんの4人が、僕に"いいね"を送ってくださっていたのだ。
 
ちなみにこの"いいね"は、あくまで"いいね"であって、マッチングしたというわけではない。マッチングに関しては、この後の最終投票で決定する。
 
Aさんはダメだったか……。
 
正直誰も僕に、"いいね"を押してくれないだろうと思っていた。そう簡単に"いいね"をもらえないのが、婚活パーティー。そういうシビアな世界だと覚悟していた。女性たちがどんな気持ちで押してくれたかはさておき、"いいね"を送ってもらえたという事実は、僕を安堵させた。よかったと思う。嬉しい……というか、ほっとしたというか、"いいね"が一つでもあって本当に救われたというのが、本音である。もし誰にも"いいね"を押してもらえていなかったら、僕は今頃婚活から卒業する決意を固めていただろう。
 
だからこの結果を素直に喜ぶべきはずなのに、欲深い僕は欲張りになっていた。

僕好みのAさんには、"いいね"を押してもらえなかったのか……。
 
本気でショックだった。自惚れというわけではないが……いや自惚れていたのだろう。終始話が弾んだ美人のAさんと100kg超えBさんからは、 "いいね"がもらえそうな気がしていた。しかし蓋を開ければ、Aさんからはスルーされている。どうして少しでも、Aさんに受け入れてもらえていると思ったのだろう。自分の勘違いに死にたくなった。
 
ところで特に驚愕したのが、僕の会話にほとんど反応してくれず、謎の愛想笑いを口元に浮かべるだけの塩対応38歳の歯科衛生士のCさんが、"いいね"を押してくれたということ。本当に僕を"いいね"と思ったのか?じゃあ何故、僕の質問に答えてくれなかったのだろう。ずっとつまらなそうな態度で髪を弄っていたのに、どうして。彼女の言動が不思議でたまらない。
 
「失礼します〜。まだ"いいね"を押せますので!"いいね"を押してくださった女性に、"いいね"を押し返してみませんか?
 
そう悩んでいると、突然スタッフの方が、僕の個室にノックをして入室をしてきた。

もっと気軽に"いいね"を押しちゃいましょう!この女性はホピ沢さんに"いいね"を押してますけど、ホピ沢さんは押してませんよね?
「え……?ええ……」
「じゃあ"いいね"を押しちゃいましょう!少しでもチャンスを引き寄せないと!

訳もわからず、え?え?と思っていると、突然乱入してきたスタッフの方が、「"いいね"を押せよ」と圧をかけてきた。
 
「でも既に"いいね"を押したので……
「今からでも全然間に合いますから!さあ、押してください!」
 
何故、こんなに監視されながら、"いいね"を押さなければならないんだ?
 
僕は言葉を選んでやんわりと抵抗してみせたが、スタッフの方は笑顔で圧をかけてくる。しかし目は笑っておらず、心なしか苛立っているようにも感じた。
 
「今ここで押さなければ、チャンスを逃してしまいますよ?」
 
僕が"いいね"を押し返すまで、このスタッフの方は退出しない気だ。もう逃げられない。僕は諦めて、スタッフの方に見張られながら、愛想笑いのCさん、韓国好きのDさん、占い好きのEさんにも、"いいね"を押し返した。
 
こんなことって……いいのか?
 
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