2025年7月7日月曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた22

「ホピ沢さんは、B型なんですね……」
「はい……そうです……」


唐突に血液型の話題を振られて、僕はこれから何を言われるのか瞬時に悟り、そして諦めた。B型の方ならおそらく、もしくは周囲のことを何も考えずに無邪気に血液型の話をする方なら、必ず理解してくださるだろう。そう、血液型の話では、何故かB型は悪者になりがちで、とにかく肩身が狭いのだ。
 
「B型ですか……」 
 
そして僕の経験上、B型に対して、良い印象を持っておらず、含みを持たせた話し方をするのは、大抵、A型の人である。案の定、Eさんは、A型だった。
 
「私の友達はほとんどA型かO型で、今までB型やAB型の方と仲良くなったことがないんです。合わないなあって思うことが結構あって。B型やAB型は、マイペースというか空気を読めない行動が多い傾向じゃないですか。それが悪いというわけではないですよ
「……」
「でも不思議なことに、ホピ沢さんは、いわゆる典型的なB型って感じがしませんね。穏やかですし、言葉も優しいです。周囲のことを気にされる性格なのかな?って伝わってきます。A型みたいって言われませんか?」
「言われたことはありますけど……」
「ですよね!ホピ沢さんは、本当にB型って感じが全くしません。ご家族にA型の方いらっしゃいませんか?」
 
Eさんは、僕を褒めているつもりなのかもしれない。しかし血液型占いをこれっぽっちも信じていない僕からしてみれば、「B型なのにA型みたい」は、全然褒め言葉ではなかった。むしろ貶されている気分だ。A型だろうとB型だろうと何型だろうと、なんだっていいじゃないか。ただの血液の分類なのに。大真面目に悪びれもなく悪意ある言葉を言われて、Eさんに対して感じていた好感度が、一気に急降下していった。
 
「……お話を伺っていると、Eさんは占いというか、診断テストなどがお好きなのかなと感じました。僕はそういうのあまり信じてなかったのですが、実は先日、飲み会の帰りに同僚に誘われて、占いをやってみたんです。駅前の近くに路上占い師がいて、つい興味本位で」
 
……これは嘘だった。ハナから占いを信じていない僕は、当然路上占いなんてやったことがないし、興味もない。同僚が酔っ払ったノリで占ってもらっているのを、横で見ていただけだ。夜になると駅前付近に突然現れて、雰囲気だけは一丁前に醸し出してポツンと座っている占い師のことは、どうにも胡散臭いなと思っている。
 
ただ嘘までついて、Eさんに確かめたいことがあった。
 
「占ってもらうと、結構当たっているなと感じました。占いってすごいですね」
「ですよね!私も占いは重要だなと思っていて、よく頻繁に占ってもらっています」
「よく頻繁に……ですか?そうなんですね。ちなみに路上で占ってもらうんですか?」
「いえ路上ではなく、占い師がいるお店というか、個室というか、"館"で占ってもらいます。路上占いもしたことありますけど、どうかなあって思っています。予約や指名をして、有名で実力がある占い師さんに占ってもらうことがほとんどです」

……やっぱり。

なんとなくEさんは、かなり占いにめり込んでいるのではないかと感じていたが、予感的中だった。話を聞く限り、相当な額のお金をつぎ込んでいるようだ。何に対してお金を使おうが個人の自由だが……躊躇いもなく、占いに大金を支払う思考がまるで理解できない。占いへの傾倒レベルが、常軌を逸しているように感じてしまった。なんだか、ギャンブルに走る心理と似ている気がする。
 
もしこういう方と結婚したら……家計が破綻するのではないだろうか。
 
「占いは奥が深いんですね……」
「種類がたくさんありますしね。色々な方法で占ってもらうと、新しい発見があって面白いですよ」
 
何かに一途にハマるタイプは決して苦手ではないし、むしろ羨ましいが……。
大金を支払ってまで占いに傾倒するような方は……だめ……かもしれない。
 
「占いは人生変わりますよ。すごいパワーがあります。ホピ沢さん、ぜひ挑戦してみてください」
 
ところで、占いは何度も挑戦するものなのか?
 
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