2025年6月23日月曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた16

Cさんとの戦いを終えた直後の僕は、激しくイライラしていた。憤りが収まらず、心の中は悪態でいっぱい。結局Cさんは最後の最後まで、僕の質問にはほぼ答えてくれなかったのだ。必死に話しかけても頑なに口を閉ざしていたし、答えてくれるかと思えば首を傾げて謎の愛想笑いを浮かべるだけ。それだけなら、まだいい。一番許し難かったのは、僕が会話を振っているのにも関わらず、つまらなそうに長い髪を指でクルクルいじったり、何度も何度も髪の毛を掻き上げる仕草だ。こんなに露骨に嫌な態度を取られたのは初めてで、僕は苛立ちと虚しさで打ちのめされた。
 

Cさんの後の次の方だが、失礼ながらほとんど印象に残っていない。気持ちを切り替えて臨んだものの、良くも悪くも無難と言うか、当たり障りのない記憶に残らない会話をしただけで、これといった手応えを感じなかったのだ。おそらく相手も、僕のことを特徴のない奴だなと、そう感じていただろう。お互い大人の対応をしたので気まずくなることはなかったが、まあ要はしっくりこない時間だった。ちなみにその方の鼻の下に、大きなほくろがあったことをよく覚えている。

そうして8人中5人の方とトークを終えた。残り3人の方と話した後は、投票。好印象を持った方に、アプリを通して"いいね"を送らなければならない。そういうことを踏まえて挑まなければと意気込むものの、6人目の方とのトークタイムは5人目の方と同様、これと言った決め手がなく、さらっと終了してしまった。6人目の方はかなりの偏食でお菓子が主食のようなものらしいのだが、そこからあまり話が広げられなかったのだ。今後はどんな会話にもきちんと対応できるようにしたい。反省だ。
 
ふと7人目のDさんのプロフィールを見て、えっ、と僕は目を見張った。この婚活パーティーには年齢制限が設けられており、男性は"40〜45歳"、女性は"35〜42歳"となっている。しかし7人目のDさんは、45歳となっていたのだ。
 
参加者を集めるために、多少参加者の年齢が前後することは想定していたとはいえ……参加資格の42歳よりも三歳上の45歳まで範囲を広げるのは……どうなのだろう。
 
誤解がないようにはっきりさせておくが、僕は45歳の女性がダメだと言っているのではない。女性の参加者は42歳までといっておきながら、実は45歳もOKにしているのがどうなのかなと思うのだ。それなら予め、女性の参加者の年齢も45歳までにすればいいのに。参加者は事前に告知されたルールを信じた上で、決して安価ではない参加費用を払って参加しているのだ。こういう嘘は良くないと思う。

もう一度言わせてもらうが、あくまで、42歳までと明記しながら45歳も参加可能にした運営側に問題があるだけで、45歳のDさんには全く非はない。
 
「はじめまして、Dです。最初にお伝えしているんですけど、私は45歳です。参加条件が42歳までなのに、45歳で参加しちゃってすみません。一か八かで参加できるか問い合わせてみたらOKとのことだったので、勢いで申し込んじゃいましたが、よく考えたら良くなかったですね」 

……いやでも女性参加者の年齢は42歳までって言われてるのに、それでも一か八かで問い合わせたってDさんはすごいな。謝るくらいなら、年齢が45歳〜のパーティーに参加すればいいだけの話だろう。なんで問い合わせたんだ?僕だったら年齢で弾かれた時点で絶対に問い合わせないし、年齢制限を無視して乗り込もうとは思わないし、そもそも自分の年齢に合ったパーティー以外は申し込まない。

「ホピ沢さんは、私よりも5歳年下なんですね。なんかおばさんが来ちゃって、すみません」
 
そういう、"自分はおばさん自虐"は、かなり反応に困る。サラッと流すべきなのか、おばさんじゃないですよとフォローすればいいのか、もうこれだからおばさんはと突っ込めばいいのか。
 
多分大真面目な顔で、"全然おばさんじゃないですよ。見た目よりもお若くて……"と、褒めるべきなのだろう。Dさんはそれを望んでいるし期待しているし待っている……気がする。そういう雰囲気がビンビンと伝わってきて、僕はプレッシャーで冷や汗が止まらなかった。

「……いえ年齢は関係ないですよ。Dさんは韓国ドラマがお好きなんですね。どういったジャンルのドラマがお好きなんですか?」
 
 僕の対応は、間違っていなかっただろうか。そんなこんなでDさんとのトークが始まった。
 
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