2025年1月22日水曜日

40代男がマッチングアプリをやってみた 97

芸人Aのライブの日まで間、僕とあすぴょんさんは毎日のようにメッセージを交わした。当日の待ち合わせ時刻と場所の相談はもちろんだが、内容のほとんどがお笑い芸人の話だった。
 
 
今のところ僕の中で、あすぴょんさんと婚活をしているという実感はほぼない。まるで、"推し活仲間"と話をしている感覚だった。あすぴょんさんとの話は楽しいし特に不満はなかったが、その一方で焦りが増幅。悠長にお笑い芸人の話を楽しんでいる場合ではないと、焦燥感を感じていた。焦っている時は何をしても失敗すると理解していながらも、僕はあすぴょんさんと連絡をとりつつ、マッチングアプリで別のお相手を探していた。
 
ここで今一度、あすぴょんさんについて振り返る。
 
言葉が悪いのは、許してほしい。大宮駅で顔を合わせた時のあすぴょんさんの第一印象は控えめで大人しくて素朴……いや暗くて地味だった。黒のプリーツスカート、黒のブラウス、黒の鞄、まるで喪服のような全身黒コーデだったのも拍車をかけたのだろう。失礼なことを言っている自覚はあるが、完全に気配を消して切符売り場に立っていたあすぴょんさんからは、どんより鬱々とした空気が漂っていた。あすぴょんさんに会った時、何故かわからないが、一昔前に流行った森ガールを思い出した。

正直な所、あすぴょんさんの第一印象は良くなかった。
 
おそらく緊張していたのだと思う。ただマッチングアプリの写真からは明るい雰囲気を感じていたが、当初は表情がなく重苦しいオーラだった。加えて遅刻しても自ら連絡をしてこない、自分で待ち合わせ場所を指定したにも関わらず迷子になる、待ち合わせ場所には現れず僕からあすぴょんさんのいる所に赴くことなった……こともあって、僕はあすぴょんさんにすっかりがっかりしてしまった。
 
行きつけのカフェがあると言いながら場所もわかってなかったし、 婚活でドトールをチョイスしたことも、休日の大混雑したターミナル駅のチェーン店カフェに何の疑問もなく入店できると思った判断力にも、がっかりしてしまった。

自分のことを棚に上げて他人をがっかりと評価する己も最低だと自覚しているが、僕は本当にあすぴょんさんにがっかりしてしまったのだ。
 
ただその後は話をしているうちに、あすぴょんさんが楽しくて面白い人だとわかった。特にお笑い芸人やペットの話になると、冗談を交えて饒舌に語る。きっと優しい人なんだろうなというのも伝わってきた。がっかりが好転して、もう少し話をしてみたいなと好感を持った。
 
とはいえ、懸念がある。どうかどうか、次は遅刻しないでほしい。ライブの時間に遅れるのだけは、何としても避けたいのだ。
 

 にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ