このままあすぴょんさんと日記形式のメッセージのやりとりをしていても、事態は動かないだろう。そう感じた僕はあすぴょんさんに、「ぜひお会いしたいです」という内容を綴ってアクションを起こしてみた。
しかしこれを最後に、あすぴょんさんからの返事が途絶えた。当初は忙しいのだろうな、くらいにしか考えていなかったが、丸一日経っても連絡がない。これには、結構動揺した。基本的にスピーディーかつ長文の返信だったあすぴょんさんが、既読をつけたまま沈黙しているのだ。明らかに異常事態だと思う。
異常事態ーーつまりあすぴょんさんは、僕に会う気がないor会いたくないのだろうなと、悟った。
僕が誘うタイミングを、見誤ったのだろうか。時期尚早だったのだろうか。僕のことを単なるメル友だとでも思っていたのだろうか。 僕に常軌を逸したやましい下心があるとでも感じたのだろうか。
ちなみにここで弁解しておくが、下心は全くない。互いを知らないほぼメル友の状態で、どうやって下心を持てというのだ。
僕が再び勘違い野郎に成り下がっただけのことかもしれないが、 勘違いしたくもなる。約二週間毎日のように連絡を取り続けた上に、長文メッセージはしっかり重みがあるもの。趣味や仕事、パンやペットの話などを、熱量たっぷりに語ってくれていた。また社交辞令とはいえ、"ホピ沢さんとパン巡りできたら嬉しいです"の一言もあった。これでブロックされたら……虚無になる。
そう四苦八苦していた僕のスマホに、唐突に通知が来た。1日半ぶりのあすぴょんさんからのメッセージだった。