パンと小動物好きのあすぴょんさんとのメッセージは、話題が尽きず楽しかった。あすぴょんさんがヤマザキパンのヘビーユーザーであると発覚してからは、特に話が弾んでいる気がする。僕も普段は買わないヤマザキパンを注目するようになった。あすぴょんさんおすすめの、チーズ蒸しパンを購入したことを報告したり、お米派だが週に一回は朝食にパンを取り入れたり、話のネタ作りを楽しんでいる自分がいた。
ただ一つ、少しだけ心の負担になっていることがあった。あすぴょんさんの返信がスピーディーで……というか、スピーディーすぎるのだ。僕の返信から15分も経たずに、メッセージが返ってくることがほとんど。しかも長文。中には日記のような内容もあり、その日1日の出来事を事細かに綴っているのだ。
別にあすぴょんさんから、長文や素早い返信を求められているわけではない。ただの僕の心理的な問題なのだろうが、"早く返事をしなければ"、や、"もっと長い文章を書かなければ"、など、少々罪悪感を感じるのだ。しかし仕事中はアプリを開けない。それに片手間でメッセージ内容を考えるだけの技量がないので、返信にはそれなりに神経を遣う。 おまけに長文となれば、時間がかかるのだ。
あすぴょんさんと距離を縮めるためには、なるべく短文は避けて、テンポよく返信すべきだと感じている。しかし勝手に返事に追われている気になってしまった僕は、段々何を書けばいいかわからなくなってしまった。せっかく話題を集めても、長文を意識した途端上手く書けない。理解してもらえるかはわからないが、同じことを尋ねるにしても、口にするのと文にするのとでは、捻り出す労力が違うのだ。
そこで、次の行動を起こすことにした。決して長文を書くのが面倒だから、というわけではないが、直接会って話した方がいいのではないかと思ったのだ。このまま日記形式のメッセージをやりとりをしていても、次に進まなければ意味がない。
そう決意した僕はあすぴょんさんに、「あすぴょんさんとのメッセージは、話題が尽きず楽しいです。実際にお会いしたら、もっと楽しくて話が弾むだろうなと思います。あすぴょんさんにお会いできたら嬉しいです。もしあすぴょんさんがよろしければ、カフェなどでお茶をしませんか?」と送った。