"見覚えのないハンカチがカバンの中に入っていたのですが、ホピ沢さんのですか？タクシー代と一緒にお返ししたいと思っております。お詫びに食事をご馳走させてください"
おい、サリー……お前本当に何も覚えてないんだな……。
この事態をどう対処したらいいのだろうか。この文面だけではサリーさんの意図が読めず、僕は判断に困っていた。そもそもサリーさんは、僕のことをどう思っているのだろう。また会いたいと思ってくれているのか？それとも次はないマジキモいなのか？それによって、僕の心構えも変わってくる。
ちなみに僕は……現状では、サリーさんとの次回は考えていない。
もしサリーさんが、今後僕とは会いたくはないけれど、義務感でタクシー代とハンカチを返さなければならないと感じているのなら、無理して僕に会う必要はない。お詫びの食事も不要。正直お金もハンカチも返ってくるなら返して欲しいところではあるが、次を考えられない相手と時間を共有し合うのはお互いのためにならないと思う。どうしても罪悪感を感じるなら、どこかの駅に集合して用が済んだらさようなら、がいい。
でももしサリーさんが、僕とまた話してみたいと思ってくれていたら？
それこそ本当に、こちらからきっぱりと断るべきだろう。僕にその気がないのにサリーさんと会うのは失礼だし、不誠実だと思う。
しかしサリーさんの本心が読めない今、僕はなんと返信すべきなのかわからなかった。そう考えあぐねているうちに、サリーさんからメッセージを貰ってから三日経ってしまった。