サリーさんが僕のことをどう思っているのか。それによって心構えが変わってくるなとか、返事どうしようかなとか、そんなことをウダウダ考えていたら、サリーさんからメッセージを貰ってから三日経ってしまった。
本当はすぐに返信するつもりだった。しかし悩んでいる間に三日経ってしまったことで、次第に億劫になり、「返事しなくていいかな」と思い始めていた。質問された状態で反応しないのは失礼だと思うが、返事がないことが答えだと思って欲しい。そんな不誠実な対応を考えてしまう、最低な自分がいた。
しかし、やはりそれは良くないなと思い直した。ハンカチだけならまだしも、タクシー代という金銭が絡んでいるのだ。白黒はっきりつけたほうがいいかもしれない。僕がサリーさんの立場だったら返すものを返してさっさとケリをつけたいし、もし相手の返事を受けて返す必要がないとわかったらさっさと次に進みたい。
"サリーさん、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。無事にお家に着いたようで安心しました。その後の体調はいかがですか？タクシー代とハンカチの件ですが、特に返す必要はありません。ハンカチは処分してくださって構いません。どうかお気になさらず"
こういった内容を綴って返信をした。 こちらの意思表示はしっかりしたので、あとはサリーさんの判断に委ねたい。と思った矢先、サリーさんから返事が来た。
"ホピ沢さんがご厚意で返さなくていい、と言ってくださっているのはわかります。でも私、奢られたりお金を貸してもらうのが苦手なんです。相手に借りができたような気持ちになり、それがすごく重荷に感じてしまいます。だからお返ししたいです"
おい、サリー！"奢られたりお金を貸してもらうのが苦手"って言っておきながら、あの日「今日はごちそうさまでした」ってちゃっかり僕に奢られてるじゃねーか！
