"バスケは観るつもりです。ところでパリといえば、XX区にある△△というフランス料理が美味しかったので、また行きたいなと思っています。ホピ沢さんと行けたら、楽しそう♪"
"では一緒に行きませんか?"と僕からタケウチさんを誘うのが、自然な流れなのかもしれない。でも……と躊躇う。僕の勘違いだったら嫌だなという気持ちが拭えず、提案することができない。"誘って欲しそうな言動を仄めかしておきながら、実は本心ではなかった"と振る舞う女性達に何度かぶちのめされてきたので、どうしても慎重になってしまう。
タケウチさんは、僕と行けたら"楽しそう♪"であって、僕と"行きたい♪"と書いてあるわけではない。
結局僕は、この一文も受け流して別の話題を振った。タケウチさんのプロフィールのサブ写真が、僕の職場の最寄駅に設置されているオブジェなのだが、何故このオブジェをサブ写真に選んだのか聞いてみたかったのだ。タケウチさんに関心を持った理由の一つでもある。その問いに対しての返信は、以下の通りだった。
"このオブジェは、職場の最寄駅のロータリーに設置されているものです。特に芸術が好きというわけではなくて、なんか可愛いなって思って撮っちゃいました。
え……タケウチさんの職場も僕と同じ駅?!最寄駅はオフィス街のため様々な会社が集中しているとはいえ、こんな偶然あるのか……。いささか面食らいながら、読み進めていく。
"芸術といえば、東京芸術劇場の近くに、美味しいもつ鍋屋さんがあるんです。ホピ沢さんと行けたら楽しそう♪"
……。
"ホピ沢さんと行けたら楽しそう♪"じゃなくて!!
誘ってほしいならそう言ってくれよ!