退会するつもりで開いたマッチングアプリだったが、僕に"いいね"を送ってくれたタケウチさんという女性に関心を持った。タケウチさんのサブ写真が、僕の職場の最寄駅に設置されているオブジェだったからだ。何故このオブジェを選んだのかすごく気になった僕は、タケウチさんの顔写真を確認した。
タケウチさんのメイン写真は、とあるプロバスケットチームのマスコットキャラクターと一緒に、笑顔で写っているものだった。
タケウチさんは、選手の名前入りマフラータオルやユニフォームを着用して、弾けるような笑顔を浮かべている。涼しげな目元、肌が白いのが印象的だ。スポーツ観戦の定番スタイルなのかもしれないが、ポニーテールで髪を纏めていることで、よりハツラツとしていた。写真によっては少しだけぽっちゃりとして見えたが、決して太っているというわけではなく、健康的だなと感じた。
他のサブ写真もスポーツ観戦中のものが多く、サッカー観戦中と思しきものが何枚かあった。スタジアムグルメというのだろうか。写真の中のユニフォームを着たタケウチさんは、座席に座って美味しそうにカツカレーを頬張っていた。
タケウチさんは、横浜出身で小2から都内在住の36歳。職業はスポーツ用品などを扱う、とある会社の営業職だそうだ。確かにタケウチさんの写真の雰囲気から、バリバリ営業してそうだなと感じた。
スポーツ用品を扱う仕事柄か、趣味はスポーツ。観るのもするのも、両方好きらしい。時間があれば、BリーグとJリーグの観戦に行くそうだ。ゴルフは仕事の付き合いで始めたそうだが、大体月3回はラウンドするくらいハマっているらしい。
またもう一つの趣味は、食べること。特にお肉が好きだそうで、"焼肉とステーキは元気の源"と書いてあった。単純かもしれないが、"焼肉とステーキは元気の源"と、堂々と書いてしまうタケウチさんに、僕は親しみを感じた。
ただ一点、「ん?」と思う箇所もあった。冗談なのか本気なのかはわかりかねるが、"都落ちは絶対にしたくないので、都内在住者の男性とマッチングしたいです笑"と、プロフィール欄の一番下に書かれてあった。文末の"笑"がどういった意図なのかはさておき、東京から離れたくないタケウチさんの意志を感じた。
早速彼女に"いいね"をすると、互いに"いいね"したことで、すぐにマッチングした。
