ぴよさんとの一件で大きなダメージを受けていた僕は、5日ほどマッチングアプリにログインしなかった。お恥ずかしいがアイコンを目にするだけで、ドタキャンされた苦い思いと羞恥心が込み上げてきて、「あーっ!!!」と机の角に頭を打ち付けたい衝動に駆られていたのだ。そのマイナス思考が収まるまでは、アプリから離れることにした。
この冷却期間中、もうマッチングアプリはやめようかなと思っていた。婚活をするのなら、女性に会えるか会えないかを心配しながら活動するよりも、婚活パーティーや婚活相談所のように、予め出会いの場をセッティングしてもらった上で行動する方が、結婚までの近道かもしれないと思ったのだ。
しかし何にせよ、マッチングアプリを開かねば退会もできない。
そう思って恐る恐るアプリを開いた僕は、"いいね"やメッセージの通知が複数あることに気づいた。
数日間ログインせず表立った行動をしていない僕にも、"いいね"やメッセージを送ってくれる女性がいるのだなと、不思議な気持ちと嬉しい気持ちが半々だった。そしてどういった女性が僕にいいねを送ってくれたのか、少し気になった。
退会するつもりだが、一応最後に"いいね"やメッセージには目を通しておこう。そんな気持ちで僕は、通知欄を覗いた。