とある金曜日、ついにぴよさんと会う日を迎えた。
自分から誘っておいてなんだが、僕は本当に緊張していた。ぴよさんに会う日が近づくにつれ、気もそぞろ。仕事以外で女性と食事をするのは本当に久しぶりだったので、言葉にできない気持ちでいっぱいいっぱいだった。
一番は、"ぴよさんに粗相をしてしまったらどうしよう"という心配が占めていて、ぴよさんにどう思われたいかとか、どうなりたいとか、今後への期待は二の次。失礼のないように努めようと、自分自身に言い聞かせた。
退勤後に会社のトイレで身だしなみを整えた後、ぴよさんとの待ち合わせ場所に向かった。この日はとても暑く、日が傾き始めても少し蒸していたので、普段早歩きの僕は、汗をかかないようにとてもゆっくり歩いたことを覚えている。
約束の時間の15分前に、待ち合わせ場所である駅改札口付近に到着した。花金ともあって多くの人で混雑していたが、お互い事前に当日の服装等を伝え合っていたので、ぴよさんを見つけるのは難しくないだろうなと思った。自分の心臓の音が漏れ出してしまうくらいに緊張しながら、その時を待った。
しかし待ち合わせ時間から10分が過ぎても、ぴよさんらしき女性は現れなかった。