"もしぴよさんがよければ、ランチまたはディナーに一緒に行きませんか?カフェ営業もしているので、お茶だけでも大丈夫です。気が進まなければ、遠慮なくスルーしてくださって構いません"
以前ぴよさんから、1日経ってやっと返事を貰えたことがあった。もしかしたら今回も、生活リズム的事情で返事に時間がかかっているだけかもしれない。
その可能性に賭けてみたい気持ちはあったが、さすがにもうだめだなと僕は諦めた。
僕はぴよさんにとって、「すぐに返事をしたい男性」ではないのだろう。
その気があればもう既に返事が来ているはずだし、その気がないからこそ返事が返ってこないだろう。”気が進まなければ遠慮なくスルーしてください”と書いた通り、僕はぴよさんにスルーされたのだ。
残念だが、次に進むしかない。僕は心を切り替え、気が合いそうな女性を検索することにした。
常に浮かれないように、期待しないようにと、自分を律していたからか、思っていたほどダメージは受けていない……と思う。しかし少しだけ、心がチクッとした。久しく色恋沙汰から遠ざかっていたためすっかり忘れていたが、女性から断られる感覚を思い出した。
寝る前にふと携帯を見ると、通知が来ていた。
"お返事が遅くなってしまって、ごめんなさい。お誘いありがとうございます。ホピ沢さんおすすめのスペインレストランで、ディナーをしてみたいです!ちなみに今月はご都合の良い日はありますか?私はX日とX日とX日が空いています"
なんとぴよさんから返事が来たのだ。