先日誕生日を迎えたことを機に改めて自分の人生を振り返り、このまま一人で生きていくのは寂しいなと感じた。その話に共感してくれた先輩が主催した食事会に参加後、"一緒に食事やお酒を楽しめる生涯のパートナーを見つけたい"と強く思い、婚活を決意した。
しかし、いかんせん長らく彼女がおらず、異性との出会いすらからも遠ざかっているため、手始めに何をどうすべきなのか考えあぐねている。
婚活の方法に、婚活パーティー、街コン、マッチングアプリ、結婚相談所……と様々な選択肢があるのは理解しているが、40歳の中年男性が飛び込んでもいいものか……いや、しのごの言わずに当たって砕けるしかない。
検索に頼った結果、 まずはマッチングアプリに登録してみることにした。
かつて僕が若い頃は婚活パーティーが主な出会いの場だったように思うが、今はマッチングアプリが主流らしい。インターネットでの出会いと聞くと少し身構えてしまう僕は、あまりマッチングアプリに良い印象が持てなかった。男性側だけが高額な会員費を請求されるのではないかとか、もしかしたら女性側はサクラなのではないか……とか。20代の頃、ネットにまつわる苦い思い出があるからだ。
そうは言っても、やってみなければ何も始まらない。例え「これは罠だ」という場面に遭遇したとしても、話のネタにして、割り切って次にいけばいいだけのこと。気軽さ故、結婚に対する真剣度が低く、ご縁に巡り会えないかもしれないが、最初はそのくらいのスタンスで始めた方が負担にならない気がした。
ところで検索した結果、数多くのマッチングアプリが存在すると知った。
1つでも多くの出会いのために複数のアプリに登録すべきかもしれないが、使いこなせる自信がないので、とりあえず1つに絞ることにする。そこで登録会員数が多く、評判が良さそうなマッチングアプリを選んだ。
早速アプリをダウンロードして登録を進めていく。規約に同意後、自身の性別や生年月日、住んでいる場所、休日の過ごし方、自身の性格等を入力した。
続いて顔写真の登録。右も左もわからない状態でいきなり顔写真を登録するのもな……と思い、ガチャポンで引き当てた猫のフィギュアを撮影して登録してみた。
するとすぐに、"ホピ沢さんの顔が写っていません" という、注意文が出て、再登録を促された。どうやら顔写真であるかそうでないかが、簡単にわかってしまうらしい。
このまま猫のフィギュア写真で押し通すこともできそうだったが、最初が肝心だなと気持ちを切り替えて顔写真を登録した。普段僕は、自分自身を撮らない。しかし先日実家に帰った時に犬を抱っこしていた僕を、妹が"盗撮"していたのだ。自分で言うのもアレだが、思いの外自然な笑顔で写っていたので、それを使用した。
すると僕のプロフィールをもとに、15人の女性の写真が順々に表示された。