「自己紹介タイムが5分って長いけど、ホピ沢と話すには短いね。そのプロフィールカードに書いてはあるけど、なんやかんやあって、今は北海道の牧場で働いてるの。馬のお世話してるんだ。今は帰省中なんだけど、結婚の予定がないことを心配した親が、勝手にこの婚活バスに申し込んだの。気が進まなかったけど、親がうるさいから仕方なく参加したって感じ」
クドウさんは、やかましい。
「ホピ沢は?何してんの?確か中学受験して頭のいい学校行ったよね?それからどうしたの?大学は?仕事は?彼女とかいないの?」
「仕事は……」
「ホピ沢って本当に頭良かったよね。ホピ沢が休み時間に難しそうな本読んでるの見た時、絶対合わないだろうなって思ったよ」
「……」
「風の噂で聞いたけど研究してるんだって?なんの?ホピ沢が研究してるって聞いて、ですよねーって納得した。ぽいもん」
ここで5分間の自己紹介タイムが終了し、移動時間となった。クドウさんは話し足りないようで、「うわ、もっと話したかった」と言っていたが、僕は冗談じゃないと思っていた。また抓られるのではないかとドキドキしていたし、クドウさんの悪びれのない口調にはイライラさせられた。
ジャイアン的な人は、過去に他人に自分がしてきたことを、全部忘れているんだろうな。
「今どこに住んでるの?今度飲みに行こうよ!なんかあったらうちの実家に連絡して!じゃ!またね!」
しねーよ!するわけねーだろ!
僕は苦々しい思いで次の座席に移動した。しかしここで隣に座った女性も僕の『出禁』気にしていたため、全く会話にならずに終了。
結局僕はこの後、誰ともまともな会話ができなかった。
