グループから離脱するため、一人でわんちゃんハウスに行くつもりだったのに。なんやかんやで結局、僕を追いかけてきたムラマツさん(ぬい活)の一声で、全員と行動する羽目になってしまった。
「俺犬触れっかな〜結構犬ってグイグイくるじゃないっすか」←A山(肥満体型)
お前の感想なんか知らねーよ!じゃあついてくんなよ!あと、わんこ全員がグイグイ系じゃねーよ!
何度も言うが、この婚活バスツアーのコンセプトは、"30代後半から40代のおひとりさま限定!動物とふれあおう!癒しのもふもふ散策と絶品ワインとBBQランチを堪能!" である。
犬どころか、明らかにモフモフに興味がなさそうなA山(肥満体型)は、本当になぜこの婚活バスツアーに参加したのだろう。犬のよだれが〜とかなんとかぐちぐち言っているA山(肥満体型)から少し距離を置いて、僕はわんちゃんハウスを目指した。
「ホピ沢さんのお好きな犬種はなんですか?」←ムラマツさん(ぬい活)
「どんなわんこも好きなので、特別好きな犬種はいないんですけど……強いて言うなら実家のわんこがトイプードルなので、トイプードルは贔屓目に見てしまうかもしれません」←僕
ちなみに僕のすぐ横には、ムラマツさん(ぬい活)がいる。何故か手と手が触れるくらい近い距離にいて、僕はとてつもなく困惑していた。ムラマツさん(ぬい活)には全く他意はなく無意識なのかもしれないが、ぴったりとそばにいられるのは、居心地が悪い。それに何かの拍子にもし触れてしまった場合、セクハラだの何だのと言いがかりをつけられるのは、男性側だ。僕は不自然にならないように、ムラマツさん(ぬい活)からちょっとずつ離れた。でもやっぱりなんか近い。
「ホピ沢さん〜ホピ沢さんの実家のわんちゃんの写真、もう一度見せてくれません?」←B山(ハイブランド)
すると今度はムラマツさん(ぬい活)とは反対側に、B山(ハイブランド)がくっついてきた。しかもB山(ハイブランド)から「ホピ沢さんの実家のわんこが見たい」と熱望され、さらに困惑。それにムラマツさん(ぬい活)と同様、明らかにB山(ハイブランド)も他人との距離感がおかしい。歩くたびに肩がちょっと触れるのだ。
おい、B山(ハイブランド)!お前の犬好きはよくわかったが、マジで何しにきたんだよ!僕の家のわんこの写真ねだらないで、ミヤギさん(沖縄)の実家のわんこの写真をねだれよ!
「え、じゃあ私も見たいです」←ムラマツさん(ぬい活)
「ですよね、見たいですよね。見せてくださいよ〜」←B山(ハイブランド)
僕はムラマツさん(ぬい活)とB山(ハイブランド)に、完全にサンドイッチ状態にされてしまった。
