2026年3月3日火曜日

40代男が婚活パーティーに行ってみた97

"恋愛ど素人のお前に一から恋愛を教えてやっから、とりあえず私と付き合いな"
 

これほどざっくばらんに言われたわけではないが、とりあえずこれに近いニュアンスで、僕はDさんから交際を提案された。Dさんの真意は、正直図りかねる。しかし、ただ一つ言えることは、僕はDさんと交際する気持ちがないということ。好意がないのに、"恋愛を教わる目的"や"とりあえず"で、僕は女性と交際できない。それをDさんにきっぱりと伝えたところ、僕はDさんにこう言われたのだ。
 
「これで何回目かな〜?私がホピ沢さんに恥かかせられるのは」 
 
Dさん曰く、できる男性というものは、絶対に女性には恥をかかせないらしい。そのためなら例え本心でなくても、女性を喜ばせる発言はもちろん、好意がなくとも交際を承諾するのだとか。もしどうしても何らかの事情でお断りしなければならない時も、はっきり断言するのではなく、やんわりとそれでいて、女性を不快にさせないように配慮するらしい。
 
……そんな全てが行き届いた男性、本当にいるのか?
 
じゃあ完璧な男性の場合、Dさんとの交際を何と断るんだ?
 
「ベイビー、せっかくのグッドでキュートな申し出はありがたいが、僕は君とは付き合えないよ。だってもし僕と君が付き合ったら、僕は君の美しさに脳が焼かれてしまい、日常生活が立ち行かなくなるほどトチ狂ってしまうからね。君を不幸にしてしまうよ」とか言うのか?
 
……だめだ、できる男性が想像できない。
 
「Dさん、本当に不快な気持ちにさせてしまってすみません。僕は何をやらせてもDさんを不愉快にさせるので、僕と交際しない方がいいです。Dさんにはもっとふさわしい方がいると思います。いや本当にそう思います」 
 
できる男性とはほど遠いが、僕はDさんにそう伝えた。こう言うしか、ないだろう。Dさんと交際したい気持ちもないし、交際する気もないのだから。するとDさんは苛立ちを隠そうともせず、僕を睨みつけてこう言った。
 
「……なんかそう思ってきました。こっちが色々気を遣って教えてあげると言っているのに、断られるし。女性に恥をかかせる男性と関わっても、時間の無駄ですよね」

Dさんの声は感情がこもっておらず、低く刺々しかった。思わずひやりと心臓が跳ねる。だが僕は間違っていないはず……そう思っていると、Dさんは唐突に立ち上がった。そして…… 
 
「帰ります。当然お会計は、よろしくお願いしますね」 
 
そう吐き捨て、ハイヒールをこれ見よがしに鳴らして、お店を出て行った。 
 
 にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ