"このままいつまでも、マッチングアプリにしがみついているのはよくない。四の五の言ってないでさっさと腹を決めて、話を聞きに行ったA社とD社以外の結婚相談所に入会するべきだ"
それがベストな選択だと自分に言い聞かせてネット検索をしていた時、ふと婚活パーティーの文字が目に入った。
婚活パーティー。
確か今から10年ほど前、友人達が参加した話をしていた気がする。そしてそういう出会い系パーティーが、今よりも溢れていた時代だった気もする。街コンというのもあった。ちなみに僕はその時彼女がいたので、出会いを求める系イベントとは無縁だった。しかしその時婚活パーティーに参加した友人達は皆全員、今は既婚者。参加経験ゼロの僕だけが、何故か独り身で孤独だ。
婚活パーティーという言葉の響きに懐かしさを覚えつつ、僕は興味本位で婚活パーティーの検索サイトにアクセスした。街コンと婚活パーティーの違いはなんだろうと思いながら、とりあえず実際にパーティーを探してみることにする。参加可能なエリア、日付、性別、年齢、その他こだわり条件等を入力すると、日付別に約一週間分のパーティーがヒットした。検索一覧には、都内だけでもおよそ800件ほどのパーティーが並ぶ。エリアを都内だけでなく首都圏に変更すると、さらにパーティーの数は増えた。
てっきり婚活パーティーは下火かと思いきや、意外と盛り上がっているのだなと感じた。その理由は、パーティーの豊富さもさることながら、 既に満員で締め切られているパーティーもなかなか多いという点。単純にパーティーは少人数制で募集人数が少ないのかもしれないが、それでも満員の多さに驚いた。
こんなにパーティーの数があるのだ。下手な鉄砲も数撃てば当たるというし、参加したらひょっとして自分にもチャンスがあるのでは……?
